ロシア公演の旅 ④ ~現地レポート~

2018年11月のロシア公演レポート。
私たちは、ノヴゴロドでの公演を終わらせ、翌日モスクワへ移動。ここでは『古事記』と『陰陽師』、2つの公演が待っています。

今回は『古事記』モスクワ公演の報告です。

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11月13日
~ノヴゴロドからモスクワへ移動。~


ノヴゴロド・フィルハーモニーホールで『古事記』公演を終わらせると、
さっそく翌日にはモスクワへ移動です。
やはり、丸一日バスに揺られました~! (笑)

夜8時頃、ホテルに到着。
今度の宿泊先は、「ノヴォテル・ホテル」。
ノヴォテルは、フランスを拠点に全国にチェーン展開しているホテルで、
けっこうハイクラスなホテルです。
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さて、ロシアのお風呂事情ですが、
こちらはシャワーしかないホテルが多く、また必ずしも常にお湯が供給されるわけではありません。
(ノヴゴロドのホテルでは、メンバーの一人が朝方シャワーを浴びていると、お湯が途中から水になってしまったそうです)
なので今回のロシア滞在では、日本でのようなお風呂は諦めていたのですが…、

部屋に入って感動しました。
ユニットバスが付いているんです!

さっそくバスタブに、たっぷりのお湯をはって、
ゆったりと手足をのばし、久しぶりのお風呂を楽しみました!

疲れをとって、明日の公演に備えます。



11月14日
~モスクワでの『古事記』公演~


今回の会場であるメイエルホリド・センターは、
実は私たちの宿泊しているホテルのすぐ隣です。
メイエルホリドセンター(ネット取得)2

朝、10時に劇場入り。
今度の会場はこれまでとはまた雰囲気が違います。
黒く塗られたコンクリの壁に囲まれ、日本の小劇場に近い感じかもしれません。

ただ残念なことに、
劇場スタッフの方が用意してくれた床に貼るリノリュームが、ちょっと汚すぎました。
普通の演劇公演ならまだしも、『古事記』は奉納公演でもありますから…

そこで、洗剤とタワシや雑巾を買ってきてもらい、
メンバー全員で、2時間ほどかけて床のリノリュームを磨きました…。
(それでも公演後には、白足袋が真っ黒になってましたが。)

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この日も、ありがたいことにチケットは完売です。

開演時間になりましたが、お客が入りきれずになかなか始められません。
結局、客席通路や入口付近に、なんとかお客を座らせての開演となりました。
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そういえば、ノヴゴロドとモスクワでは、お客様の様子がだいぶ違いました。
ノヴゴロドのお客様は全体にマナーがよく、
自分たちの気に入ると、上演中でもシーンが変わるごとに拍手を送ります。
(ちょっとバレエ公演の観客に似ていますね)

モスクワのお客様は、こういう拍手を送りませんが、じっと食い入るように舞台を見ています。

いずれにせよロシアの人たちは、とっても演劇が大好きなんだと実感させられます。

カーテンコールでは、客席全体から割れるような拍手をいただきました。


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後になって気が付いたのですが、
今回、日本の文化に興味がある人たちが多かったようです。
けっこうな割合で、日本語で「アリガトウ」と声をかけられました。

そういえば、ノヴゴロドのフィルハーモニー会館で上演した時も、
幕間の休憩に入った途端、ロシア人のおじさんが、
「ニホンノ コジキ、サイコウ! アリガトウ!」と声をかけてきたので
舞台上から思わず、「あ、どうもありがとうございます」と、素で答えてしまいました。(笑)
この方もおそらくは日本の文化に興味を持って勉強されている方なんでしょう。


今回のロシア公演で、こういう、「日本が大好き」という方々に多く触れることができたのは、
とっても嬉しいことでした。


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さて、モスクワ『古事記』公演をもって、今回のロシア公演は一区切りつきます。

この後、『陰陽師』公演組だけがモスクワに残り、
後のメンバーは全員、日本に帰ります。


ロシア公演の旅 ③ ~現地レポート~


11月12日
~『古事記』公演~
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今日の会場は、ノヴゴロドのクレムリン内にある、
ノヴゴロド・フィルハーモニーホールで行われます。
(聖ソフィア大聖堂の隣です)




時広さん写真 (7)

ホールに入ってビックリしました。
残響の響きが本当に美しい!

アニシモフ先生に指示されて舞台上で少し歌ってみました。
声が吸い込まれるように響きわたります! 
 
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向かって左側のクリーム色の建物が、フィルハーモニー会館。
右に見えるのは、聖ソフィア大聖堂です。
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さて実は、今日の『古事記』公演に合わせて、私たちはちょっとした、日本文化を体験するワークショップを開催しました。
公演が始まる前の時間を利用して、
フィルハーモニー会館の向かい側にある博物館のフロアーで、茶道と書道の体験ワークショップを行ったのです。
茶道のコーナーは、メンバーの池野上眞理が担当し、書道のコーナーを、今回私たちの旅に同行いただいた瀬尾様にお願いして実施しました。

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そして私たちの『古事記』公演ですが、
おかげさまで、今日のステージも完売になったそうです。
本当に感謝です。

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ノヴゴロド・フィルハーモニー会館での『古事記』公演も、無事に満員御礼、カーテンコールではスタンディングオベーションで迎えていただきました。

明日は、一路、モスクワへ向かいます。

ロシア公演の旅 ② ~現地レポート~

2018年11月のロシア公演レポート、パート2。
今回は、最初のステージとなった『白痴』公演についてのレポートをお届けします。

由紀子ロシア画像 (3)



11月11日
~『白痴』公演~

いよいよ今日は、『白痴』公演です。
今日はドストエフスキーの誕生日で、しかもフェスティバルの最終日にあたります。

会場は、ノヴゴロド市内にある、
ドストエフスキー記念アカデミードラマ劇場。
800人ほどが収容できる、古く、大きな劇場です。
時広さん写真 (13)


ところで、朝、ホテルのロビーで、昨日会ったベラルーシの俳優とまた会うことが出来ました。
うちのメンバーの天満谷が、昨日、今回のフェスティバルで友だちになったのです。

そして彼は、さっそくベラルーシ風の別れの挨拶のやり方を教えてくれました。

彼は、ベラルーシの5ルーブリ紙幣を1枚取り出して渡すと、
こう説明しました。

「この5ルーブリ紙幣で、ビールが2杯飲める。
だから次の出会いのときに、もう一度一緒にビールを飲もうぜ!という
約束の印なんだよ」
これが、男同士が再会を約束して別れる時のやり方なんだそうです。

すかさず天満谷が、「じゃあこれで、日本でのビール2本分ですから。」
と言って、日本の500円硬貨を渡すと、

彼は、「これで俺たちは日本でも会えるんだね!!」 と、ニコニコしながら帰って行きました。

天満谷さん写真 IMG_0789


とはいえ、この日のスケジュールは本当に大変でした!
今回、一緒に同行していただいている、衣装デザイナーの時広真吾さんが、公演後に、フェイスブックでこんな風に紹介しています。

「『レンブラントのようなライティング』と評価される芸術監督レオニード アニシモフの妥協のないライティング作りは時間を要し、結局、通し稽古が出来ないまま、皆、緊張して本番に臨みました。」

大半の出演者は一度もリハーサルができないまま、本番の舞台に立たなければならなくなりました。
おそらく最初は、不安や緊張があったと思います。


けれどもやがて、一つ一つの場面が終わるごとに、拍手が起こようになりました。
そして最後のカーテンコールでは、スタンディングオベーション。

私たちの舞台のカーテンコールが、
そのままフェスティバルのクロージングになり、すべて終了しました。

お客が帰った後、
私たちは舞台セットを撤収し、ホテルに戻りました。
明日は、フィルハーモニー会館で『古事記』の公演です。

由紀子ロシア画像 (1)

時広さん写真 (10)


時広さん写真 (11)



時広さん写真 (12)



時広さん写真 (9)


続きは、また改めて。

どうぞ、お楽しみに!







ロシア公演の旅 ① ~現地レポート~

2018年11月のロシア公演レポートです。
取り急ぎの現地からのレポートをお楽しみください。

時広さん写真 (4) リサイズ

11月9日
~旅の始まり~

さていきなりですが、今回のロシア公演は、早々とトラブル続きで始まりました。

今回の旅は、衣装、小道具の荷物が多いため、
メンバーの多くはリムジンバスを予約して向かったのですが、

10数名のバスが、それぞれ事故渋滞に巻き込まれ、1時間も遅れての空港到着です!

幸い全員、チェックインと搭乗には間に合うことができましたが、
別便で頼んでいた、トランク10数個を乗せた配達の車が搭乗時間になっても到着しません!

全員、真っ青になりましたが、
事情を聞いた空港のスタッフの方も快く対応してくださり、
なんとか無事に、出国することができました。
いよいよ、長い旅が始まります。

成田空港を出発した私たちの飛行機は、
モスクワを経由し、夕方5時ころ、ようやっとサンクトペテルブルクへ到着。
サンクトペテルブルクからはバスに揺られ、
夜10時半過ぎころ、ノヴゴロド市のホテルに到着。
ホテルのレストランで遅い夕食を取り、各自の部屋に解散しました。

写真は、私たちが、ノヴゴロド滞在中のホテル(ガスティーニッツァ・インツーリスト)です。

ノヴゴロド ホテル (リサイズ②)




11月10日
「ドストエフスキーの家」博物館を訪問

フェスティバルの劇場は、ホテルのすぐそばにありました。
ドストエフスキー記念アカデミードラマ劇場。
古くて、大きな劇場です。
明日、ここで私たちの『白痴』を上演します。

時広さん写真 (13)

フェスティバル期間中なので、毎日、日替わりで劇団が入れ替わります。
私たちは、今日公演する劇団が退出した後、
夜11時から劇場に入って、台セットの仕込みをやります。

ところで今日、11月11日は、
ドストエフスキーの誕生日にあたり、
しかもこのフェスティバルのクロージング日になります。
私たちの公演は、この大事な日に合わせてわざわざ招待していただいるので、ちょっと緊張してしまいます。



昼は、主催者側が用意したプログラムがあり、
ノヴゴロド市のクレムリンと、聖ソフィア大聖堂を見学しました。

ここノヴゴロドは、ロシア発祥の都で、
世界遺産に登録されている遺跡も数多くあるそうです。

時広さん写真 (1)






聖ソフィア大聖堂_20181110_ (1) リサイズ

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その後、
「ドストエフスキーの家」博物館を訪問。

ドストエフスキー所縁の土地ということなので、
すぐ近くにあるのかと思いきや、

バスで揺られること
片道、1時間30分の距離にある、
スターラヤ・ルッサという町にありました。

麻田枝里 (1) リサイズ 

ここは、晩年に
ドストエフスキーが実際に住んでいた家で、
ここで、未完の傑作「カラマーゾフの兄弟」が
執筆されたそうです。

館長さんから説明を聞きながら、
ドストエフスキーが執筆活動をしていた書斎や、
家族の食堂、妻アンナの部屋や子供部屋…と、
夕暮れの薄暗くなった建物の中を巡ります。

時広さん写真 (2)


夕方7時、
博物館から戻ると、
そのまま、ホテルの近くの劇場で
ベラルーシ共和国の劇団による、
ドストエフスキー「おじさんの夢」を観劇。

私たちのバスは、開演に間に合わなかったので、
幕間の休憩になるまで待って、
2幕から観劇しました。


客席に入ると、舞台を楽しんでいる温かい空気が満ちていて、
ロシアの人たちが演劇を愛していることが伝わってきます。


帰り道、ロシア語も話せる舞台監督のミサオさんから
「明日のチケットは完売だそうよ!」
と言われました。


いったんホテルに戻って夕食。
夜11時からまた劇場に入って、
『白痴』の仕込みを開始します。
深夜の1時半まで作業、明日の作業の見通しがたったところで終了しました。

劇場 下見 _20181110_(1) リサイズ



余談ですが、
ホテルに帰り、部屋に戻ろうとしていると、
劇団のメンバー天満谷が、
「ちょっと来て! 紹介するから」と
ベラルーシの劇団の俳優を連れてきました。

つい何時間か前に、
今日の舞台に出演していた俳優です。
劇場の近くで知り合ったとか!


彼は、
とても陽気で、エネルギッシュな人でした。

「明日の朝には帰らなければならないので、
あなたたちの舞台が見れなくて残念だ」と言うと、

演劇芸術についての思いを熱く語って、

「心配しないで!
 あなたたちの成功を祈ってるよ!」と、


何度も私たちを励まして、帰って行きました。

フェスティバルならではの、
ちょっとした出会いがありました。

続きは、また改めて。

どうぞ、お楽しみに!




「古事記~祈りをつなぐ旅~」能楽堂での奉納公演!

2018年10月28日
「古事記~祈りをつなぐ旅~」能楽堂での奉納公演は無事に終了しました。
今回は、お客様から寄せられた、応援メッセージの幾つかをご紹介させていただきます。

2018 能楽堂「古事記」①60%

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★こちらは劇団員の友人で、画家の方です。
暖かい感想をありがとうございます。
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能楽堂で開催された東京ノーヴィ・レパートリシアターの「古事記」
数回この劇団の舞台を観劇していますが、今回も見事に予想を裏切られました。
予想の斜め上、圧倒的なカミがニコニコして座っておりました。
もはや物語や内容では無く、現にそこに座っているという有様です。
この劇団の役者さんは、演じるとか表現するという事なんかすっ飛ばして、只そこに居る事を臨んでいます。
成り切るという生易しいものじゃ無く「なる」そのものです。
ボクは何故彼らに共感するのか?惹かれるのか?今回は本当に理解した気分でした。
ボクもそのような絵を描いて行きたいと思っているからです。

やはり「かわいらしさ」というのは圧倒的です。
外見じゃ無く、魂そのもの、赤ちゃんのような有様です。
皆ニコニコと本当にかわいかった。

それは道理や執着を溶かし、概念や理論をも台無しにする力があります。
ボクもそういう人に成りたいし、そのような絵を描いて行きたいと改めて思ったのです。

(劇団員の友人/画家)

2018 能楽堂「古事記」1幕④60

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こちらの感想も、同じく画家の方です。
この方は、観劇後、そのままアカデミーを入学することに決めたそうです!
嬉しいですね~!
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これが本当の「祈り」だと、
何度も何度も思い出し、感動している。

東京ノーヴイ・レパートリーシアター「儀式劇・古事記」を観てきた。

役者さん達が何をしているのか?が、ダイレクトに伝わってきた。
日本が世界へ渡せる、「多様性」はこれだと震えた。
日本人の何が世界の光になっていくのか、の答えが、明確に、そこにあった。

これが芸術じゃないなら、私は絵描きをやめる。
「生きる」事を志す、全ての人に開かれた芸術が目の前にあった。

アカデミーの稽古見学に行く、楽しみ。



(20代、女性、画家)

2018 能楽堂「古事記」1幕③60

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こちらも暖かいメッセージをいただきました。
感謝です!
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本日の舞台「古事記」、素晴らしかったです。

天の世界を美しい歌声、楽器、動きで表現なさっていて、数時間、完全な異空間に浸ってしまいました。
神々の神々しくも優しいほほ笑みに包まれ、私自身も優しい気持ちになれました。
天岩戸開きのシーンは希望にあふれ、勇気をもらえる演出でした。
本当に素晴らしかったです。どうもありがとうございました。

ロシア講演も成功間違いなしです。
お気をつけていらしてくださいませ。
日本の祈りがロシアにも、そして世界中に届きますように!

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Author:東京ノーヴイ
東京ノーヴイ・レパートリーシアター

東京ノーヴイ・レパートリーシアターのメンバーたちが、任意に稽古の模様や本番の様子などを、お伝えしてまいります!


私たちは、ロシア功労芸術家のレオニード・アニシモフを芸術監督に迎え、ギリシャ悲劇からチェーホフにいたる、古典作品から厳選したレパートリーを上演しています

平成27年3月27日、東京都より「認定NPO法人」として認定されました。


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