東京ノーヴイ・レパートリーシアター日誌

東京ノーヴイ・レパートリーシアターは下北沢を拠点として活動する、プロの演劇集団です。 「心の栄養」をテーマにチェーホフ、ゴーリキー、近松門左衛門、宮沢賢治、シェイクスピアの傑作を毎週上演しています。

銀河鉄道の夜感想

サポーターズの齋さまから
『銀河鉄道の夜』のご感想を頂きました。
ご了承を得て掲載させていただきます。

-----------


ボクもよく大小劇団の公演を観にいく機会もありまして、この「銀河鉄道の夜」も何度か他の方々の舞台を観劇しております。

ノーヴィさんはレパートリーシステムでもあり、都度、同じ演目でもお芝居をされる方々によって、観客席から観て、舞台に濃淡が現れていて、その醍醐味が大変味わい深く感じております。

同じキャスティング、別のキャスティング、舞台全体を通じて空間そのときどきに全く別人のカンパネルラ、全く別人のジョバンニ、登場人物が顔をだし、

26席の空間に登場人物の心の変化が、その動作と呼応して、活き活きとした心の純朴さを醸し出します。

まるで、舞台というキャンバスに光景が絵が浮かびあがります。

たとえ貧しくとも、たとえ辛くても、その境遇をうらまない、同級生をねたまない、
社会や自分の生い立ちを、境遇を受け入れ、
まっすぐなまでのジョバンニとカンパネルラという対照的な2人の少年がみた
同じ「天の川」の星たちの中にある唯一無二のもの、絶対たるもの、
水の流れが星の流れのように、星の流れがまるで水の流れの中にある「ただ1つ」の「ほんとうの」とは、
「さいわい」とは何かと賢治のいう探し続ける銀河の旅は、
いつしか現実の世界で「川面にうつる夜空のたくさんの星の中に、大好きなお母さんを見つけ、母の手をつかもうと手を伸ばそうとしたカンパネルラは母の元に返り、「ほんとうの」「さいわい」を見つけました。
すでに、カンパネルラは川に落ちた同級生をはじめは助けようとしたのです。
そのとき、川に映った星の中に何かを見つけたのです。ずっと探していた、大切なもの、会いたかったなにか、暖かな温もりを見たのです。吸い込まれるように、水の中へ、夜空のほうへ、カンパネルラは「銀河鉄道」に乗るのです。

現実の川の水、事故と天の川の水、星の流れが、この時、一点に繋がる柱のように呼応し、交錯する瞬間を見事に現してくださいました。

ここが銀河鉄道の一番観ている観客に伝わるが難しい場面ですが、
東京ノーヴィレパートリーシアター様は限られた時間と空間に鮮やかに映し出してくれます。

カンパネルラの水にぬれた髪衣服、東北の子供の赤るんだ頬に滴る水滴をボクは客席から見たような気がします。

ここがボクが一番大好きなところなのです。
東京ノーヴィ様の舞台の客席と役者さんの距離感がない、最大の魅力だと思います。観客が登場人物に錯覚するような不思議な感覚、きわめて近く、感性がコラボし心の共鳴、胸が熱くなる瞬間です。そうですね「心の体感」というか、とても充実した時間、とてもうれしく感謝しております。

ノーヴィさんの舞台をみて、すべては、この「さいわい」に出会うために始まり、体の弱いジョバンニの母親とジョバンニがいつか還ってくると信じている父親、みんなと遊びにいくこともなく、体の弱い母を助けるため放課後働きにいき、明るく元気に接するジョバンニ自身、「さいわい」は彼のすぐそこにあるのでは、と公演を観て思いました。

東北は「しあわせ」という言い回しよりも「さ・い・わ・い」としたほうがより「荘厳的」であり、生と死、死と生の長い連鎖の繰り返し、生き物すべてにおいて土から生まれ土へと還る、土着思念が賢治の生き方のベースにありますから、東京ノーヴィレパートリーシアター様の役者様方々、意識に深くなげかけながら、自然にまとめあげ、決してしつこくなく、自然体でこの作品によく表れていると思います。

特にこの作品の終始一貫したテーマが、最初から最期まで神秘的かつ生活感の両方をもつ意味で「水」という題材に一環し、起承転結していることは大変特徴的で、ともすれば、賢治の作品の中でも美しく、分かりやすく、親しみやすく、情景が文字からとびだしてきそうな位、繊細で優しい、しかし、それだけに、舞台の出来不出来が観客に丸出しになる、なにもない場所、簡素なステージ、ストリート、空間があれば、賢治の世界観を表面上は演じられるだけに、失作になりやすい、観客が飽きてしまう、そんな怖さがこの作品にはあります。

自由にそのとき、その瞬間に味わえる「ジョバンニになれる」「カンパネルラになれる」「先生になれる」という決して物質主義な贅沢さは必要としないが、心にあったかさ、ホンワカと残る、素朴な田舎のおばちゃんが作るバームクーヘンのような味わい深さがこの作品のすごく魅力的なところであり、

その本来、賢治が後世に残したい、つたえつづけたいメッセージをいかに表現できるかを考えたとき、本当に上演できる演劇集団はそう多くはないと思います。

ボクは東京ノーヴィレパートリーシアター様のこの作品を度々拝見し、あるべき作品への真摯な取り組みや心のあり方に重きをおき、考え、真剣に向かいあう姿勢が、一つの表したい作品のメッセージに近づき、形となって空間表現に具現化できるのだと、とても素晴らしい、心の対峙が東京ノーヴィレパートリーシアター様にあるんだと、感銘しております。

単なる演劇好きな素人なボクがいうのは、大変おこがましく、失礼の段、深くお詫びいたします。
ボクは福島県から下北沢に東京ノーヴィレパートリーシアター様のお芝居を観にくるのだといっても過言ではないのです。
片道4時間かけて、東京ノーヴィレパートリーシアター様の26席のシアターに是非参りたいと楽しみにしております最大の理由です。
その期待に応えてくださるのですので、またいくのです。
心の栄養のような感覚は、ただ一方通行ではなく、互いがより心地よく感じ得ること、まさに、賢治がこの「銀河鉄道の夜」に言わんとする、ほんとうの「さいわい」なのでは、ないでしょうか。
東京ノーヴィレパートリーシアター様のお芝居は銀河鉄道に乗車する旅人のような気持ちを感じさせてくれるのです。だから、しっかり下北沢通いが板につきました。

「ボクたちずっと一緒にいようね」といったジョバンニ、いつか停車駅がやってきて、別れがくると知っているカンパネルラ。
人の一生はとても小さなものだけれども、だからこそ一緒に一生懸命に生きる強さ、逞しさ、親友の最期の瞬間まで導かれたジョバンニの乗った「銀河鉄道」は親友との最期の別れを通じて、何がさいわいなのかを人生の通過点に学びながら、これから成長していく 一人の少年の目を通して、死とはなにか考え、向き合い、カンパネルラ自身がお母さんをなくしたときの絶望に中にこそ、絶望があるからこそ、求め続ける唯一の「さいわい」が存在しする。
「さいわい」に気付く人、気付かない人、人は自身の「さいわい」を見失いがちです。
物質主義に浸りすぎて盲目になります。
「1個、2個・・・いくつも神様がいて」「どれも、ほんとうの神様」

1個の神様、1個の光・・どれも唯一無二の「ほんとう」なのだと思います。

東京ノーヴィーレパートリーシアター様の胸指す圧巻の「銀河鉄道の夜」です。
是非おおくの演劇ファンのみならず、沢山の方々に観て頂きたいと願います。
不器用さ実直さと真面目さを杏事無く表現しながら、観客自身がジョバンニやカンパネルラになりながら、ともに銀河鉄道にのって、ほんとうの「さいわい」とはなにか、個々1個、1個の人の1個のさいわいを探す旅、自分と関わる人々を通じて想い、気付かされていく、心の微妙な変化を観客に想像させるアニシモフ氏の演出と映像はとても心地よく、単なる表現技術だけに頼らない気に満ちたものは、東京ノーヴィ様の舞台の生粋なエッセンスとして観る側を魅了して止まないと感じます。
今後も更なるご活躍、楽しみにしております。またシーズンお伺いいたします。いつもありがとうございます。

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事へのトラックバックURL
http://tokyonovyi.blog76.fc2.com/tb.php/1075-f7c2bf66

 | HOME | 

文字サイズの変更

メルマガ登録

【東京ノーヴイ倶楽部】 東京ノーヴイの舞台のヒミツや活動報告を 月1くらいのペースで配信します。 ※「@club-novyi.com」から配信。 ドメイン登録をお願いします。 ※メンバーサイトへもご招待致します。

メルマガの直接登録URLはコチラ

プロフィール

東京ノーヴイ

Author:東京ノーヴイ
東京ノーヴイ・レパートリーシアター

東京ノーヴイ・レパートリーシアターのメンバーたちが、任意に稽古の模様や本番の様子などを、お伝えしてまいります!

当日のキャストは
こちらをクリック→ 【出演者情報】 して
ご覧下さい。

ペンギンのつぶやきはこちらをクリック
→【ペンギンリポート】


inainaのちょっとした話→【inainaのちょっとした話スタニスラフスキーシステムについて分かりやすくお話します。

<検索タグ>
東京ノーヴイ・レパートリーシアター
ノーヴイ
ノーブイ
のーぶい
ノービー
のーびー

TNRT 公式ホームページ

東京ノーヴイ・レパートリーシアター

Twitter on FC2

@tokyonovyiさんのツイート

最近の記事

最近のコメント

リンク

このブログをリンクに追加する

RSSフィード

カテゴリー

ランキングに登録しています

ランキングに登録しています。 下の画像をポチッと押してください。 応援よろしくお願いします。↓ CoRichブログランキング

FC2Ad

Template by たけやん