東京ノーヴイ・レパートリーシアター日誌

東京ノーヴイ・レパートリーシアターは下北沢を拠点として活動する、プロの演劇集団です。 「心の栄養」をテーマにチェーホフ、ゴーリキー、近松門左衛門、宮沢賢治、シェイクスピアの傑作を毎週上演しています。

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魔力を異化せよ!・メルマガ抜粋

※ノーヴイのココロ12号抜粋です。
叙事的演劇について簡単に解説しました。
ご登録は最下部よりどうぞ。


異化セヨphoto


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ノーヴイのココロ 第12号
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



こんにちは。
東京ノーヴイの中林です。

前回の稽古記録の続きとなります。

ずいぶん久しぶりな気がしますが・・
さっそく、どうぞ。



■■目次■■

1:【初期ブレヒト稽古:叙事的演劇とは3/3】アニシモフ講義録より

2:ボクのおとうさんは、桃太郎というやつに殺されました。

~~~


■2:ボクのおとうさんは、桃太郎というやつに殺されました。


さて、今回やっと叙事的演劇について触れられましたが、
ずいぶん引っ張ったわりに“さわり”だけでしたので、少しだけ補足したいと思います。


まず、辞書的には「叙事的演劇」とは、

ブレヒトが提唱した演劇理論。観客の感性に訴えるような従来の演劇に対し、
距離をもって批判的に観察・認識させようとする演劇の方法。
(大辞泉)

などと説明されます。


ブレヒトは、観客があまりに舞台の物語に身を任せて、それを無批判に受け入れてしまうのを嫌いました。

そもそも人は、物語を簡単に信じてしまう性質を持っています。
というか、物語には人を信じ込ませる魔力がある、と言えばよいでしょうか・・

あらゆる物語には、何らかの「視点」が組み込まれていますが、
しかし、物語に無批判でいる限り、それを自覚することは出来ません。
もしかしたら別の「視点」もあり得ることが見えなくなるのです。


そこで叙事的演劇では、観客に「自分は舞台をみているに過ぎない事」を再認識させるために、
ドキュメンタリズムの報告性を強調したり、
歌や字幕や特定の身振りで劇の流れを中断したり、
しばしば裸舞台で上演し虚構性を明示したり、
といった工夫がなされます。

こうした叙事的演劇における手法が、以前、ここでも紹介した「異化効果」と呼ばれるものです。


また、ブレヒトは演技についても俳優に「自分が演じている事」を忘れないように望みました。
例えば、自分の役の行動を三人称「彼は~」と語らせたり、
ト書とともにセリフを読ませたり、
出来事を全て過去形にして言わせたりしたと言います。

僕らも一通り稽古しましたが、こうした異化効果は、喜劇の伝統と馴染みが深いように思います。
いわば、自己(を取り巻く状況)をネタ化して扱う感じです^^

アニシモフさんは、稽古のなかで

「自分を第三者として扱うことは、その人を成長させる」

と言っていましたが、異化効果の重要性がこの辺にあります。


僕なりに言えば、異化効果のキモは、「距離の確保」です。

俳優の自己ネタ化(二重化)における距離。
観客の物語同化と異化のあいだの距離。

そして、何より重要なのは、この距離によって「視点」の移動という
ダイナミズムが可能になるということです。


ブレヒトは叙事的演劇によって社会変革をめざした、と言われます。
その為には、今ある世界(の物語)が別様にもあり得ることを示す必要がありました。
その「視点」を獲得する武器が異化効果だったわけです。



ちなみに、ブレヒト自身は、叙事的演劇を「非アリストテレス的演劇」であるとし、
カタルシスを目指すギリシャ悲劇以来の「劇的演劇」と対置させていますが、
講義でも触れられたように、演劇の叙事的要素は、
ギリシャ悲劇におけるコーラスをはじめ、世界中の演劇にも認められます。
例えば、日本には歌舞伎など“見立て”の演技という伝統がありますが、
これなんか完全に異化効果といえます。

また、演劇ではないのですが、最近、僕が非常に異化効果を感じた事例をご紹介します。
今回の記事は、ほとんどコレに触発されて書きました。↓
http://www.pressnet.or.jp/adarc/adc/2013/no1_b.html
2013年度・新聞広告クリエーティブコンテスト
最優秀賞「めでたし、めでたし?」


以上です。
ヘーゲル弁証法との関連等については書きませんでしたが、
ブレヒトの理論は非常に面白いので、
僕のテキトーな説明でなく調べてみるのをオススメします。


もちろん、それ以上にノーヴイの舞台をオススメしておりますが^^
↓↓
11月公演【俳優VS俳優】第3ラウンド!
http://tokyonovyi.blog76.fc2.com/blog-entry-1233.html



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