『曾根崎心中』 当時の大坂をのぞく (1)

近松門左衛門 特集 1  
元禄時代の大坂は、こんなに凄かった!
~『曾根崎心中』 当時の大坂をのぞく~(1)

40%size (pd) 近松門左衛門(和書「國文学名家肖像集」)(PublicDomain) 近松門左衛門(和書「國文学名家肖像集」)



『心中への招待状 – 華麗なる恋愛死の世界 – 』
(小林恭二著/文藝春秋)より
50% 『心中への招待状』表紙

近松門左衛門「曾根崎心中」を独特の視点から読み解いた小林恭二先生の『心中への招待状』。今回は、同書から幾つか記事を紹介しながら、「曾根崎心中」の時代を覗いてみたいと思います。



2月22日(木) ~ 25日(日) 『曾根崎心中』公演の詳細はこちら
近松門左衛門『曾根崎心中』




50 江戸時代の大坂①
「菱垣新綿番船川口出帆之図 」(大阪府立図書館
http://e-library2.gprime.jp/lib_pref_osaka/da/detail?tilcod=0000000007-00010154)

『曾根崎心中』の舞台となった元禄期の大坂は、
世界的にも類を見ないほど、大繁栄を誇った町だった!


では、さっそく小林先生の著書から、当時の大坂の繁栄ぶりを引用してみましょう。

「世に千載一遇ということばがあります。千年に一度しか出会えないようなビッグチャンスという意味です。歴史には、ときどき恐るべきチャンスが無造作に転がっている場所や時間が存在します。…(中略)…本書の舞台となる元禄時代の大坂も、商人にとっては千載一遇の都でした。…」

全ての流通は大坂へ
「元禄時代の大坂には日本中のモノが集まっていました。あらゆる物産(外国製品も含む)が一度大坂に集められ、そこで値を定められた上で、全国に散ってゆくシステムになっていたからです。当然、莫大な富が大坂に落ちました。1714年に大坂に入ってきた金は、約409万両。これに対して大坂から出ていった金は137万両。差し引き272万両が大坂に落ちた計算になります。資本主義が未発達な時代、これは莫大な金額です。しかもこれをわずか40万弱の人々が分け取りにするんです。ピンとこない人のためにいうなら、子供や老人ですら、毎年7両ずつ(150万円くらいでしょうか?)純資産(収入ではありませんよ)を増やしていけた計算になります。
まともな商人であれば、10年も働けば、確実に資産家になれたでしょう。…(中略)…大阪は空前の繁栄を誇りました。そして日本はもとより中国やヨーロッパにも類を見ない豪商が軒をつらねたのです。」

「大坂は船でもって市街のほとんどにゆくことができました。これが商業都市にとってどれだけアドバンテージとなったか、想像もつかないほどです。大八車やせいぜい馬車でしかものを運べなかった時代に、あらゆる倉庫に船で運べたんですから。
大坂は都市計画の傑作でした。しかもその都市計画はすべて商業に照準が置かれていました。」

 

当然、食の町としてもトップだった大坂
「…蝦夷の昆布も、遠江の椎茸も、伊勢のクジラも、志摩のアワビも、紀伊の砂糖も、播磨の塩も、…みな大坂を経由していました。つまり、大坂以外では一部の特権階級しか手に入れられないものが、大坂では庶民でもごく簡単に手に入れられたのです。その端的な例が出汁(だし)です。出汁に使う昆布にせよ、鰹節にせよ、イリコにせよ、椎茸にせよ、一部の地方の特産品です。」
これらをすべてそろえた上、料理によって使い分けるなどという贅沢は、ただ大坂のみができました。大坂では、年端もゆかぬ丁稚ですら、きつねうどんの汁の良し悪しを論評しました。」

80% 食材  

「大坂は酒の都でもありました。当時日本人が飲んでいたのは、いわゆる、どぶろくです。よく昔話に一升の酒を飲んだの二升飲んだのと出てきますが、当時の酒は酒精分が少なく、今のビールくらいでした。ですから、多少なりとも酔おうと思ったら、大量に飲まざるを得なかったのです。しかし、大坂ではいちはやく清酒が広まっていました。おかげで彼らは浴びるように飲まなくても酒に酔うことができました。もちろん味も格段に向上しました。薄く、コクのないどぶろくしか知らない当時の人々にとって、清酒はまさに美禄でした。」




30 (PD) 大坂郊外の写真  
(図は、1902年に撮影された大坂郊外の写真/(Public Domain))



2月22日(木) ~ 25日(日) 『曾根崎心中』公演の詳細はこちら
近松門左衛門『曾根崎心中』


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