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『メデイア』を生んだ古代の伝説「アルゴー船の遠征」!

『メデイア』特集1
(この記事は、「東京ノーヴイNewsPaper 4月号」掲載の記事をもとに、改めて編集・作成しています。)
50% (PD) わが子を殺そうとするメディア ②(ウジェーヌ・ドラクロワ画 、1862、リール市立美術館蔵)800px-Eugène_Ferdinand_Victor_Delacroix_031 わが子を殺そうとするメディア (ウジェーヌ・ドラクロワ画 、1862)



エウリピデス『メデイア』の作品背景には、古代ギリシャ世界に広く伝わっていた『アルゴー船の遠征』という物語伝説が存在しています。
この物語なくて、『メデイア』は語れません!

この『アルゴー船の遠征』こそ、後にメデイアの夫となるイアソンが主人公として活躍する冒険の物語であり、二人の出会いを描いた作品なのです。

今回の記事では、この『アルゴー船の遠征』譚について紹介させていただきます。どうぞお楽しみください。



1)物語の発端

イアソンは、もともとはギリシャ東北部テッサリア地方にある国、イオルコスの王子でした。

60% テッサリアの地図②


けれどもイアソンがまだ幼かったとき、王位は、叔父の手によって奪われてしまうのです。

年月が流れ、立派な青年に成長したイアソンは、王位を返すよう叔父に迫ります。

焦った叔父王は、ギリシャから遠く離れた最果ての地、コルキス王国にあるといわれる伝説の「黄金の羊の毛皮」を手に入れて帰ることが出来たなら王位を返そうと約束します。叔父には、それが不可能だという目論見があったのです。

イアソンは女神アテーナーから助言を得て、船大工のアルゴスに50の櫂を持つ巨船を建造させました。そして、イアソンが船員を募るとギリシャ中から50人の勇者が集まり、彼らはともに、このアルゴー船に乗り込んで、最果ての地、コルキス王国に向かいます。


220px-Building_Argo_BM_TerrD603.jpg

アルゴー船建造を手伝うアテーナー。
From wikimedia Commons/ File:Building Argo BM TerrD603.jpg 21 August 2007 (UTC) License=CC BY-SA 2.5



2)豪華キャストの神話
ちなみに、このアルゴー船に乗り込む50人の英雄たちは、そうそうたる顔ぶれです。
豪華キャストというか、まるでギリシャ神話に登場する英雄たちのオールスター戦!

有名どころでは、英雄の代名詞ともいえる怪力ヘラクレスから始まって、クレタ島の迷宮に住む怪物ミノタウルスを倒すテーセウス、死んで双子座になったカストールとポリュデウケース。変わりどころでは竪琴の名手オルペウス(オルフェウス)などがいます。

ただし残念なことに、せっかく揃えたこの豪華メンバーも、全員が活躍の場を与えられる訳ではありませんでした。
英雄の代名詞ヘラクレスに至っては、旅の始まりの方で脱落してしまいます。
(あるトラブルがもとで島に降りている間に、船に置いてきぼりをくらってしまうのです)


40 (PD)ローマ・カピトリーノ美術館にあるヘーラクレースと二匹の蛇の像。800px-Herakles_snake_Musei_Capitolini_MC247 子供時代の英雄ヘラクレス
60%(PD)ミノタウロスと戦うテーセウスMinotaur 怪物ミノタウロスと戦う英雄テーセウス

3)メデイアとの出会い
メデイアは、遠国コルキス国の王女でした。
このコルキス国というのは、古代ギリシャ世界においては、その最果ての国であり、神秘の国でもありました。
コルキス国は、現在の黒海沿岸のグルジアに相当します。

コルキスの地図③



彼女は、コルキス国の宝である「黄金の羊の毛皮」を求めてやってきたイアソンに、一目ぼれをしてしまい、自国を裏切って、イアソンとともに「金羊毛」を奪って逃げ出します(メデイアは実は魔術を使える巫女でもあったため、魔術を使ってイアソンを助けます)

『アルゴー船の遠征』という冒険譚は、この「金羊毛」を手にしたイアソンがイオルコス国に無事に戻るまでを描いています。


40% (PD) 金羊毛とイアソン800px-Jason_Pelias_Louvre_K127  金羊毛を叔父に渡すイアソン


4)イオルコスに戻ってからの遍歴
さて、金羊毛を手に入れ、メデイアとともにイオルコス国に戻ってみるも叔父には王位を返すつもりもないため埒があかず、業を煮やしたメデイアは、魔術と奸計をもって叔父を殺してしまいます。この手口があまりに残酷であったため、人々から怖れられ、イオルコスにもいられなくなり、二人はコリントス王国に逃れてきます。

コリントスは、古代ギリシャ世界では、経済の中心として栄え、アテナイやテーバイ王国の台頭後も、財力でこれらに並んでいました。

〈メデイアたちは、イオルコスを逃れコリントスに渡ります〉
50% コリントスの地図②


北のギリシア本土と、南のペロポネソス半島をつなぐ位置にあり、交通の上でも、また交易面でも、絶好の要衝の地として繁栄した国家でした。

商業経済の栄えた地域ではよく見られるように、迷信よりも合理的な発想が好まれるような、自由な気風の国だったのではないでしょうか。

そしてその意味では、メデイアにとって、自身が施した魔術の結果として逃げ込む場所としては、一番ふさわしい国だったのかもしれません。

こうして、この地でメデイアはイアソンとの間に二人の子供をもうけ、平和に暮らしていました。
けれどもイアソンは、コリントスの王クレオンから自分の娘との縁談を持ちかけられると、
メデイアと自分の子供を捨てて、王の娘との縁談を受けてしまうのです。

エウリピデスの『メデイア』の物語は、ここから始まります。





次回は、王女メデイアの故郷、コルキス国について紹介させていただきます。
どうぞ、お楽しみに!





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