瞽女唄日記

私たちは、11月の「白痴」公演後の新作として、「越後瞽女唄冬の旅」という、“瞽女”という職業に向き合った、盲目の女性たちを描いた作品を創ります。
この作品は一時間半ほどの上演時間の間に、唄と三味線が半分、残りの半分がストーリーという構成になる予定で、ドキュメンタリーのような、瞽女さんたちが居て、瞽女さんたちを受け入れる人々がいた時代の文化的な生活を感じてもらえるような作品にしたいと考えていて、「とにもかくにも瞽女唄を唄えねばなるまい!」ということで、主要メンバー3人で、最後の瞽女である小林ハルさんのお弟子さんだった萱森直子さんに指導を乞うべく、月一ほどのペースで新潟まで通い始めました。

なぜ、わざわざ新潟なのか・・・
私が初めて萱森さんの唄を聞いたのは、去年の2月、東松原駅の近くにある“ブローダーハウス”という場所でのライブででした。
元々津軽三味線を習っていた私は、「民謡の魅力をもっとわかりたい!」と切望していて、津軽じょんがら節が実は瞽女唄から発展したものであるという説を知って、瞽女について調べていたところ、このライブに出会ったのでした。

萱森さんが提示してくださった瞽女唄というものは、全く飾り気のない、美しく見えるものや聞こえるものには一切立ち寄らない、ダイレクトにお腹の中に落ちてくるような唄で、私は衝撃を受けました。私が見つけたかったものがここにあるのかも知れない・・・そう思うともう、習ってみたくて仕方がなくなりました。
そんな時に、「三味線を弾く女性が出てくる作品を探せ。」という芸術監督による指令です。これは巡り合わせに違いない!!!

そして見つけた作品が「越後瞽女唄冬の旅」という小説です。
萱森さんのライブを聴いたある人が、「これは唄のジャンルとは違う、何か、精神文化のジャンルのようだ。」と言ってくれたそうですが、私はこの小説にも同じ“精神文化のジャンル”を感じています。小説なので、脚色作業にも悪戦苦闘です。唄もなかなか掴めません。
それでも萱森さんは「異質な精神文化みたいなものを表現できたら良いのかも知れないわね。」といって私たちを励ましながら指導してくださいます。私も本気でそう思うし、「うまくいっていないかも知れない」と思い込んでへこたれてたら面白いものを見逃してしまいそう・・・

だからそう思わないように、前向きな気持ちで作品創りに向き合いたいと思っています。


                                    ごぜぎ

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