ちょこちょこっとした話 16

16『透きとおった…』


宮本輝さんの『泥の河』を久々に読んだ。

電車の中、何度も目頭が熱くなり、手が震えて困った。

私は読書家でも文学通でもなく、まして学者や評論家でもない。
けれども素人ながら、文章を書くとは、物を語るとは、かくあるべきだなぁ~、と心底感じた。

物語の組み立て、人物の心理描写…必要なすべてがあり、余分なものは無く…。

これが賞を獲れないなら、なにが獲る?!…な~んてね、思いこみ強いんです、私。

それから、宮澤賢治さんの『ひかりの素足』を読んだ。

これも久々に。

驚くべき感性!描写の、言葉の、表現の独創的なこと!

確かに、お話の中で子供たちの眼に映る影像の数々は賢治さんが書いた通りで、しかも賢治さんが書いたように書こうとは誰も思わない。

それが心理描写にまでつながってる!

ひとりひとり、全員の気持ちや感じていることが、染み入るように伝わって来る。

そうして、作者の心持ちが透きとおって見えて来る。
透きとおっているから、ちっとも邪魔にならない。
賢治さん、きっと、楽しい場面はウキウキしながら、辛い場面は苦しみながら、哀しい場面は胸を痛めながら書いたであろう。


『必要なすべてがある、余分なものはない、透きとおった存在でいる』

同じく表現する者、創造活動をする者として、かくありたいと思うのである。

では、また…

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