ちょこちょこっとした話 18

《先進国》


「演技とは、リアクションである。」…モーガン・フリーマン

スタニスラフスキー・システムにつながる言葉だ。


さて、先日、核実験をしたとされる北の国。
日本政府は、独自の《制裁》を考えているというコメントを出していた。

《制裁》とは、言うまでもなく《攻撃》である。


人間心理・行動学であるスタニスラフスキー・システムの見地から見ると、

《制裁》を加えられた者は、《報復》というリアクションを起こす。
力が足りなければ、「今に見ていろ」という想いを深く心に刻む。

《制裁》を加えると言われて、日本も攻撃圏内だと考えるのは、当然のリアクションである。


終戦時、日本を南北(東西)に分ける構想があったと聞いたことがある。
資本主義と共産主義との争いのために。

高い思想・理念も、いつの間にか《権力・金》のために利用される。

日本は、たまたまその悲劇を被らなかった。
犠牲になった国が、自己防衛のために核実験を行う……。

そもそも核実験によって《国力を示す》というのも、《何か》に対するリアクション。

それは何か?何がそうさせたのか?


「今さら核実験?国として、色んな意味で危険で野蛮で、遅れてるよね~。」という声を聞く。
学者も言う、TVのコメントもそう、私も事実だと感じる。
圧倒的、多数だ。

世界の《先進国》と言われる国々も、口を揃えて言う……「制裁を加える。」と。


もう一度述べます。
《制裁》とは、《攻撃》である。


《報復》とは《攻撃》に対するリアクション。
その《報復》に対する新たな《報復》が連なってゆく。
誰もが知っている『憎しみが憎しみを呼ぶ』という構図。

この《負の連鎖》はなかなか終わらない。
なぜか?
それは、一握りの人間が《権力》と《金》を手に入れるために、《憎しみ》を巧く利用するから。


そもそも国、国家などというのは、幻想にすぎないという。

幻想が言い過ぎなら、国とは、制度や契約によるくくりにすぎない。

日本人とは?
領土内にいれば日本人?
日本国籍を取ったアメリカの友人は?
ハーフ、クォーターの人は?
遠い昔、大陸から帰化した人々の子孫は?

民族・人種の違い、個性や習慣の違いはあるが、地球上にいる人類はみんな《人間》だ。
人間がいる、それが全て。

いじめられた人は、やり返したいと思う。
助けられた人は、助けたいと思う。

それが人間の、自然なリアクション。


ならば、私たちのやるべきことは《制裁》ではなく《手を差し伸べる》ではないだろうか。


もうそろそろ、人類は《先進国》の概念を変えるべきである。

《先進国》とは、経済力の大きい、駆け引きの巧い国ではなく、見返りを求めず、手を差し伸べられる国だ、と。

手を差し伸べることから始めて、ゆっくりゆっくりと歩み寄る。
その《忍耐力》を持ち合わせているのが、《進んだ人》の住む《進んだ国》なのではないだろうか。

そのような国へ、誰も《報復》しようと思わないし、世界中が助け合いを始めるきっかけとなる。

戦争の世紀を生き延びた人類は、次の段階へと昇るべきである。


「独自の制裁を考えている。」なんて…
世界平和、秩序という看板に隠れて、
「オラたちが世界一の良心を持っている。だから、オラたちにも権利がある。遅れるな、縄張り争いに混ざるベー。」
と言ってるように聞こえてしまう。



 ブレヒト『コーカサスの白墨の輪』より→

「あの子には、飢えている人々を、その姿を恐れないでほしい。飢えさせている何か、それを恐れてほしい。」


では、また…、

ちょこちょこっとした話 17

《呼び寄せの法則》?


『聖☆おにいさん』という、「はて、いいのかしら?」と思ってしまう(笑)ギャグまんがの第1巻を読みました。

久しぶりのまんが。
半年、いや~、一年ぶりかも。

次に、『テルマエ・ロマエ』の第1巻。これも、まんが。

それから映画を見た。『カレンダー・ガールズ』という、イギリス映画。

その3作品の全てに出てきたキーワードがある。

…《エルサレム》…

これらのまんがや映画は、互いに何の関係もない。
立て続けの《エルサレム》登場は、もちろん《たまたま》です。

ところが、次に『巨匠とマルガリータ』という小説を読み始めた。
と、ふたたび《エルサレム》登場!
なんと4連続!


さて、この宇宙には、似た者同士が《呼び寄せ合う法則》があると聞いたことがある。

立て続けの《エルサレム》には、少しびっくりさせられた。
こりゃ、宇宙の法則じゃろか!?

が、《たまたま》ということもできる。
デジタル時計のゾロ目を、たまたま何回も見た…、といった。


《宇宙の法則》か、《たまたま》か、《たまたま》か、《宇宙の法則》か!!
…《たまたまの法則》というのもありかなぁ。


え、私がどう思うかって?ん~、《たまたま》かな…。

まぁ~、今回は《面白い作品を呼び寄せる》という《法則》は働きましたかね~。
一癖もふた癖もあるが、どれも面白かった。

あぁ、そういえば……横浜方面へ行く仕事があると、立て続けに何回も横浜方面の仕事が来ますねぇ。
千葉方面、埼玉方面の時もそういうことあるなぁ…。
《たまたま》ですかね。

《法則》が確かならば、より良い、楽しいのを引き寄せたいものですね。

では、また…
inaina

ちょこちょこっとした話 16

16『透きとおった…』


宮本輝さんの『泥の河』を久々に読んだ。

電車の中、何度も目頭が熱くなり、手が震えて困った。

私は読書家でも文学通でもなく、まして学者や評論家でもない。
けれども素人ながら、文章を書くとは、物を語るとは、かくあるべきだなぁ~、と心底感じた。

物語の組み立て、人物の心理描写…必要なすべてがあり、余分なものは無く…。

これが賞を獲れないなら、なにが獲る?!…な~んてね、思いこみ強いんです、私。

それから、宮澤賢治さんの『ひかりの素足』を読んだ。

これも久々に。

驚くべき感性!描写の、言葉の、表現の独創的なこと!

確かに、お話の中で子供たちの眼に映る影像の数々は賢治さんが書いた通りで、しかも賢治さんが書いたように書こうとは誰も思わない。

それが心理描写にまでつながってる!

ひとりひとり、全員の気持ちや感じていることが、染み入るように伝わって来る。

そうして、作者の心持ちが透きとおって見えて来る。
透きとおっているから、ちっとも邪魔にならない。
賢治さん、きっと、楽しい場面はウキウキしながら、辛い場面は苦しみながら、哀しい場面は胸を痛めながら書いたであろう。


『必要なすべてがある、余分なものはない、透きとおった存在でいる』

同じく表現する者、創造活動をする者として、かくありたいと思うのである。

では、また…

ちょこちょこっとした話 15

 15『にゃんこ先生たち』



毎日のことである。

我が家と、劇場や仕事の現場の道々、猫がいたりする。
名前は、ギョロ目ちゃんたち、猫屋敷の猫たち、モジャ二郎(ウンコねこ)、とっとこジュニア…。
犬もいる。
名前は、チロ、ワン…。

私達が、勝手に呼んでる名前ですけどね。

駅までの神田川沿いにはカモの親子連れがいる、鳩がいる、カラスがいる、雀、コサギ、亀、鯉、ヘビがいる。

お母さんに抱っこされた赤ん坊。
お爺ちゃん、お婆ちゃん。

花や草。
神田川、そして何より、空、太陽、月、星!

空ならば、どんな天気でも、たぶん一日中見ていられると思う。
 
 どうにも心が落ち着かない時、どれほどその先生たちに助けられたことか。
 
 
 ♪…目に映るすべてのことは、メッセージ…♪


それらの先生たちと、直接話していることもあり、先生たちを通して、自分と会話していることもある。
たぶん、後者のほうが多いかな。


人生、至るところに、先生たちがいる。

ありがとう、にゃんこ先生たち!


では、また…

ちょっとした話 31

31『ガリレオ』



「それでも地球は回っている」
…私が生まれた日から、ぴったり400年前、同じ誕生日(ユリウス暦ですけどね)のガリレオ・ガリレイさん… 
 
 …ではなく、テレビドラマです。福山雅治くんの『ガリレオ』。
映画版『容疑者χの献身』は、名作ではないでしょうかぁ!見たぁ~?!見ましょう!(鼻息!フゥ~!)


『スタニスラフスキー・システム』とは、『演劇を科学する』システムだと、私は考えてます。
又は、『人間を科学』する。

科学…なかでも『物理学』に近いのでは…。


「もっと、感情を込めてセリフを言わなきゃだめなんだョ~」
…とある夜…
…とある居酒屋で、とある先輩の《経験とカン》によるダメ出しが…。
「昔、俺がなんたらという役をやった時はョ~…ウィ~ッ。」

多くの日本の俳優の演技が、《経験とカン》に依っています…と、思います。
そうすると実は、俳優には、還って行くところが無くなる。
つまり、「なぜ上手くいったのか、なぜ上手くいかなかったのか」「どうすればより良くなるのか」わからない。
センパイの《経験とカン》の話だけでは、検証するための《手段》が曖昧だからです。

(経験によって、独自の理論を確立している方もいらっしゃるとは思いますが…。)

「もっと感情を込めて!」
……あぁセンパイ、どうやったらその《感情》が現れてくるのか、そこを話してくれないと……センパイ!

「…だ、台本を読めばわかるんだよ。」

…ん~、微妙~。

センパイの口からは、実際の行動でたしかめられる具体的な《材料》と、その《根拠》は出てこないわけです。

そして今夜も、あちこちで、居酒屋談義が繰り広げられてゆくのでした…。


アニシモフ氏いわく、

…「人間の行動には、必ずなんらかの《理由》があります。」
…内的理由、外的理由。


ガリレオ(福山君)いわく、
…「あり得ない?いや、そんなことはない。」

つまり、起こった(もしくは、起こったと皆が信じている)全ての出来事には、起こるべき(信じてしまう)理由がある。
だから「あり得る!」、ということです。

「物理学のプロセスは、仮説を立て、それが正しいかどうかを実験によって検証し、理論を発見する(打ち立てる)。」
(ドラマの中で語られる、物理学の方法論)


スタニスラフスキー・システムと似ている!…と、私が思ったのはそこです。

私達も、分析の中で見つけた行動(仮説)が有効かどうか、リハーサルや本番の舞台で試して(実験)、検証し、立証する。

行動してみたが《感情》が現れないなら、仮説(見つけた行動)は不完全で、《貫通行動》にまで行き着けない。

再度、分析を見直すことになります。
一見、面倒くさいようですが、戯曲と役のラインに基づいたアプローチなので、俳優は「どこを見直すか」という改善点、つまり還っていくポイントを見失わずにすみます。

スタニスラフスキー・システムが科学的であること、なんとなく伝わりましたかね~。


ちょい長くなりましたが、この《科学的真実》の具体的な積み重ね=《横糸》に、俳優の各《人間性》=《縦糸》が織り込まれ、驚くべき芸術の瞬間が現れるのです。


居酒屋談義より、少しは具体性をもって、次の日を迎えられますね!


では、また…

メルマガ登録

「東京NOVYIメールマガジン」(週一ペースでの配信)に登録すると、「月刊Newsletter」(月一ペースでの配信)があわせて配信されます。
*メールアドレス
*お名前(姓・名)
*お名前ふりがな

プロフィール

東京ノーヴイ

Author:東京ノーヴイ
東京ノーヴイ・レパートリーシアター

東京ノーヴイ・レパートリーシアターのメンバーたちが、任意に稽古の模様や本番の様子などを、お伝えしてまいります!


私たちは、ロシア功労芸術家のレオニード・アニシモフを芸術監督に迎え、ギリシャ悲劇からチェーホフにいたる、古典作品から厳選したレパートリーを上演しています

平成27年3月27日、東京都より「認定NPO法人」として認定されました。


<検索タグ>
東京ノーヴイ・レパートリーシアター
ノーヴイ
ノーブイ
のーぶい
ノービー
のーびー

TNRT 公式ホームページ

東京ノーヴイ・レパートリーシアター

Twitter on FC2

ランキングに登録しています

ランキングに登録しています。 下の画像をポチッと押してください。 応援よろしくお願いします。↓ CoRichブログランキング