東京ノーヴイ・レパートリーシアター日誌

東京ノーヴイ・レパートリーシアターは下北沢を拠点として活動する、プロの演劇集団です。 「心の栄養」をテーマにチェーホフ、ゴーリキー、近松門左衛門、宮沢賢治、シェイクスピアの傑作を毎週上演しています。

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YouTubeで見つけた【古事記神話】を紹介します

IMG_0574.jpg

■古事記ってどんなお話なのかご存知ですか?

たぶん、全部を読まれている方は少ないでしょうし、
特に若い人は学校で学ぶことも減って馴染みが薄いかと思います。

不思議な書物で、上中下3巻のなかに
神話も伝説も歴史も書かれていたりするので、
なかなか一口には説明出来ないのですが、

そこには江戸の国学者・本居宣長も強調したように、
「やまとごころ」ともいうべき日本人の真心(本来のこころ)が描かれています。

これを知らないのはモッタイナイ。
アイデンティティに関わる問題です。

そこで、ほんとうは本を読まれるのが良いのでしょうが・・
YouTubeで素敵な動画を見つけたのでご紹介します。

鈴木三重吉氏の『古事記物語』に影絵劇風(?)の動画をつけた作品です。

古事記 の物語 (全17話):
http://quwei.jp/lR/kd1079/1591

ここには上巻(神話)の「ヤマタノオロチ」までのエピソードがまとめられていますので、
私達の舞台(「天の岩屋」まで)の予習としても是非どうぞ。

さて、その今回の舞台は、いわば「ジャンル不明」の作品となります。

どこか少し儀式めいていて、
なにか新しい芸能の産声(うぶごえ)のような、
まるで初めて舞うアメノウズメノミコトのような、
そんな舞台になっています。

お話を直球で分かりやすく伝える舞台ではないので、
あらすじを知っておくと、より楽しんでいただけると思います。

公演詳細はコチラ↓
http://www.tokyo-novyi.com/japanese/kojiki.html

ちなみに、6月の一部公演を観劇された方からは、
「純和式オペラ・シンフォニー」というご感想(ジャンル?)を戴いています。

【古事記ご感想】気宇壮大な宇宙創世神話「古事記」を純和式オペラ・シンフォニー(謡声)で表現:
http://tokyonovyi.blog76.fc2.com/blog-entry-1281.html

それでは、皆様の古事記再発見の一助となりますよう。
お早めのご予約どうぞよろしくお願いいたします。

■番外編
・この動画も、あらすじが分かりやすいです。笑えます^^
http://youtu.be/pjDGkQjJzw4

===
公演PR:「やまとごころ」を感じる
http://tokyonovyi.blog76.fc2.com/blog-entry-1286.html
===

【舞台古事記】日本の心のルーツを知る純和式オペラ

kojiki_Acut.jpg


秋の気配がしてまいりました。
皆様、いかがお過ごしでしょうか?

日本は四季折々の豊かな自然に恵まれていますが、時として試練を与えられることもあります。
今年の夏は、台風などの自然災害も多く、心を痛めることも多々ありました。
被害に遭われた皆様に対しては、心よりお見舞い申し上げます。

こんな時、演劇の役割とはなんだろうと改めて考えさせられます。
その場に行き救援にあたる方々を、感謝と尊敬の思いで見守るだけでいいのかと。

日本では、演劇を含む芸能のはじめが、『古事記』の中に描かれています。
こんなエピソードです。

弟の乱暴狼藉に恥ずかしくなった姉のアマテラスオオミカミが、岩屋に隠れ、世界から光が消えてしまいます。
その時に八百万の神々が相談して、祭りをし、アメノウズメノミコトが舞い、神々の喜びの笑いがおこる。
不思議に思ったアマテラスオオミカミが、岩戸から覗き、待ってましたと神々に迎えられます。
こうして再び光が世界に戻るのです。

このアメノウズメノミコトの様な役割がやはり演劇にはあると私たちも考えます。

今回、『古事記』を舞台化しようと提案したのは、私たちの芸術監督であり、演出家であるロシア人のレオニード・アニシモフです。
その思いに、共感してくださった『超訳古事記』の著者である鎌田東二先生をはじめ、
各分野の一流のアーティストの皆様、
そして応援してくださる皆様のご協力のお陰でここまで辿り着きました。

日本の平和のために、一人一人の心の平和のためにも、祈りを込めて、
私たちの『古事記~天と地といのちの架け橋~』を日本中で上演していきたいと願っています。

まずは10月の初演に向けて、全身全霊で稽古に励んでまいります。
劇場にお越し頂き、共に祈って頂けたら幸いです。







〈新作舞台のご案内〉シアターΧ(カイ)提携公演
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『古事記〜天と地といのちの架け橋〜』
------------------------------------------------------------------------------
原作:鎌田東二「超訳古事記」、セルゲイ・ズーバレフ「豊葦原の国にて」
演出:レオニード・アニシモフ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【公演スケジュール】
2014年10月7日(火)〜13日(月・祝) 全7公演
7(火)8(水)9(木)10(金)11(土)12(日)13(月/祝)
15:00開演 ◎ ◎  ◎
19:00開演 ◎ ◎ ◎ ◎
※開場は開演30分前

【劇場】東京両国・シアターΧ(カイ)アクセス


【料金】全席自由席

<劇団取扱チケット>※当日精算
一般前売4,500円 [当日5,000円]
学生(前売・当日)3,000円・当日学生証提示


<カンフェティ取扱チケット>
カンフェティ購入前売3,800円


【お申込み】

<劇団取扱チケット>
東京ノーヴイ・レパートリーシアター
・web予約フォーム:http://novyicai.cart.fc2.com/?ca=all
・TEL/FAX :03-5453-4945(平日10:00~17:00)
・e-mail:info●tokyo-novyi.com

(メールアドレスの●を@にしてください。メールでお申し込み頂いた場合、メールタイトルに『観劇予約』の明記をお願い致します。メールを頂いて、3日以内にご連絡させて頂きます。3日を過ぎてこちらから連絡がない場合は、メールトラブルの可能性がありますので、恐れ入りますがお電話にてご一報くださいますよう、お願い申し上げます。)


<カンフェティ取扱チケット>
Confetti(カンフェティ)
http://confetti-web.com/ ※「古事記」で検索
0120-240-540*通話料無料(平日10:00~18:00)


/////////////////////////////////////////
太古から、口づてに伝承された物語・古事記。
1300年の時を経て甦る遺伝子の記憶・・

この日本の心のエッセンスをつたえる神話を
現代の<儀式>として舞台化します。

神話的意識を取り戻し、
神話(=自然)の智恵をひらき、
“いま”へと伝承される美しく優しい古事記です。

舞台上の「儀式」を通して注がれる清らかなエネルギーが
現代人の心を癒す、奇跡の瞬間を体験してみませんか?
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【古事記ご感想】気宇壮大な宇宙創世神話「古事記」を純和式オペラ・シンフォニー(謡声)で表現

古事記感想

6月に上演いたしました『あめつちはじめの物語~古事記より~』のご感想を
サポーターズの山口誓志さんから戴きました。
ご本人の許可をいただき、以下に掲載致します。

===


ー気宇壮大な宇宙創世神話「古事記」を、
  純和式オペラ・シンフォニー(謡声)で表現ー

ゆったりとした動きの中に、満ち満ちる「壮麗アルカイ ックスマイル」その言祝ぎ(ことほぎ=寿ぎ)、「明るさ」と「優しさ」の世界

この十数年、ロシアの古典的新劇(チェホフ、ゴーリキー、ドストエフスキイ)を中心に、スタニフラフスキイ・リアリズムを基調にしながら、宮沢賢治や近松など、日本の作品にも挑戦しつつけている<東京ノーヴイ・レパートリーシアター>。最近ではブレヒトやシェイクスピアなどをはじめ、広く手掛けているが、その最新作「古事記」の最初のプレビューが本日、両国シアターカイで初日の幕あけ。

アナウンスも音楽も無い無言のシジマの内に、幕が引き開けられると、居並ぶ白衣の古代装束の面々。
そこに、いかにも「語りの翁」らしき風貌の古老が、ゆったりと登場。昔の絵本の絵のオオクニヌシや浦島太郎 を思い出し、懐かしい気持ちになる。と、奥から語りの声がして、一行ごとに力強い発声と語尾の破裂音が、不思議に古代へと誘っていく・・・声の主も、七福神を思わせる神の装いと風貌で、かの翁と、やがて声を合わせて、謳うように語るように、唱和し始める。
その声の響は、日本古来の楽器、雅楽の篳篥(ひちりき)の音色を思わせるほどに、心地良く魂にまで分け入り、微妙な音程とテンポで古代世界へと誘導する。
心ときめくオープニングに、たちまちに引き込まれていく。そこにあるのは、コトバと音楽。事象と神々の生成・・・これまで、セリフや心情によって「日常」を表現することの多かった<ノーヴイ>の最新版となる、この舞台では、<言葉>は<日常の物>ではなく、もっと重みと 深い意味を持つ<祈り>であり<歴史>のようだ。
そして居並ぶ古代装束の人間たちあるいは神々たちの表情、生きていること生まれてきたこと、めぐり合うこと愛し合うこと・・・そのすべてを見守り、抱擁し、いつくしむような、柔らかなスマイル、その笑顔は、どこかでみた、<アルカイックスマイル>・・・飛鳥や奈良にある仏像たちの微笑みに似ているよう。
その<言葉・仕草・動き>は、神楽舞のような、能狂言のような、大らかでゆったりとして、悠久の時を思わすような重厚さに満ちている。
そして人と人、神と神が出会い、ドラマが始まる、それが言葉になり歌になる。なんと大らかな宇宙的なドラマだろう・・・
かくて三十数名の神々たちが歌い舞いことほぐ中で、ドラマは展開し・ ・・収束する、それはきっと、大昔にあった、そして<今>にもつながる物語だ。だからとても懐かしい。

アフタートークでは、「古事記」が意外にもロシアで広く読まれ研究されていること、そして当の日本人には案外、思いもよらぬことに、そこには優しさや愛に満ちた救済のメッセージが隠されていることに初めて、改めて、気づかされる。
<ノーヴイ>の作品は、そして演出家アニシモフ師と、その同時通訳をする上世さんの言葉は、宇宙の原理に迫り、現代を救済する天の声に聞こえる。それにより、再び今日見た舞台のメッセージを反復する。
壮大なテーマと表現の広がりを示した、<序章 古事記>、十月の完成が今から楽しみな、今日の初日初演であった。
いつも素敵な舞台をありが とうございます。・

これからの展開、楽しみにしています。
またお知らせ下さいませ

===

こちらこそ素敵なご感想ありがとうございました!
10月の完成版古事記の詳細は
http://www.tokyo-novyi.com/japanese/kojiki.html

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『古事記〜天と地といのちの架け橋〜』/10月公演のご案内

太古から、口づてに伝承された物語・古事記。
1300年の時を経て甦る遺伝子の記憶・・

この日本の心のエッセンスをつたえる神話を
現代の<儀式>として舞台化します。

神話的意識を取り戻し、
神話(=自然)の智恵をひらき、
“いま”へと伝承される美しく優しい古事記です。

舞台上の「儀式」を通して注がれる清らかなエネルギーが
現代人の心を癒す、奇跡の瞬間を体験してみませんか?







〈新作舞台のご案内〉シアターΧ(カイ)提携公演
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『古事記〜天と地といのちの架け橋〜』
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原作:鎌田東二「超訳古事記」、セルゲイ・ズーバレフ「豊葦原の国にて」
演出:レオニード・アニシモフ
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【公演スケジュール】
2014年10月7日(火)〜13日(月・祝) 全7公演
7(火)8(水)9(木)10(金)11(土)12(日)13(月/祝)
15:00開演 ◎ ◎  ◎
19:00開演 ◎ ◎ ◎ ◎
※開場は開演30分前

【劇場】東京両国・シアターΧ(カイ)アクセス


【料金】全席自由席

<劇団取扱チケット>※当日精算
一般前売4,500円 [当日5,000円]
学生(前売・当日)3,000円・当日学生証提示


<カンフェティ取扱チケット>
カンフェティ購入前売3,800円


【お申込み】

<劇団取扱チケット>
東京ノーヴイ・レパートリーシアター
・web予約フォーム:http://novyicai.cart.fc2.com/?ca=all
・TEL/FAX :03-5453-4945(平日10:00~17:00)
・e-mail:info●tokyo-novyi.com

(メールアドレスの●を@にしてください。メールでお申し込み頂いた場合、メールタイトルに『観劇予約』の明記をお願い致します。メールを頂いて、3日以内にご連絡させて頂きます。3日を過ぎてこちらから連絡がない場合は、メールトラブルの可能性がありますので、恐れ入りますがお電話にてご一報くださいますよう、お願い申し上げます。)


<カンフェティ取扱チケット>
Confetti(カンフェティ)
http://confetti-web.com/ ※「古事記」で検索
0120-240-540*通話料無料(平日10:00~18:00)


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第11回IDTF プレ・シンポジウムでのアニシモフ発言を抜粋します

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第11回シアターΧ国際舞台芸術祭 IDTF2014
プレ・シンポジウム『つくり噺』
〔開催日〕2013年12月22日(日)
〔会場〕劇場シアターΧ
〔お噺する人〕土取利行氏、四方田犬彦氏、レオニード・アニシモフ氏
〔司会〕西田敬一氏
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以下は、当日のアニシモフ発言の抜粋です。

〜〜

アニシモフ: 私は、〈知識〉インテリジェンスには2種類あると考えています。

ひとつは〈形式知〉です。これは言葉で表現できる知識のことです。

それに対して〈暗黙知〉があります。〈暗黙知〉は言葉では表現できないし、説明もできない知識のことです。

特に私が興味を持っているのは〈暗黙知〉です。
なぜならば、私は芸術に携わる者として〈暗黙知〉に非常に関心があるのです。

例えば、土取さんの音楽は言葉で表現できません。
しかし、土取さんの演奏する音が〈知識〉を伝えてくれます。


私は、神話はテキストだけで伝承できるものではないと思っています。
神話は〈暗黙知〉に含まれるものだからです。もし、神話をテキストだけで理解しようとするならば非常に混乱しますし、実際に理解するのは不可能ではないかと思います。

なぜならば、神話はほとんどの場合、儀式を通じて伝承されてきたからです。


ではなぜ神話が非常に重要なのでしょうか?

神話はある一定の世界の捉え方、人間の感覚や感情と関わっています。

例えば人間と自然、人間と宇宙とのつながりがあります。
そのつながりは人間一人ひとりのつながりだったり、民族的なつながりだったりします。

私はそのつながりがなくなると多くの問題が起こると考えています。

私たちは自然の一部分にしか過ぎません。
私たちが自然や宇宙から離れてしまったならばどうなるでしょうか?

現代では人類固有の多くの問題が起こっていると私たちは感じています。
それは私たちが自然や宇宙からどんどん離れているからではないでしょうか?


自然や宇宙とのつながりを取り戻すために、私は神話がとても有効だと考えています。

神話は歴史ではありません。
神話とは常に存在しているものか、もしくは存在していないものだと私は思います。

古代では神話が人間の意識を成長させていたと思います。

それが哲学と神話との違いです。
哲学は自分で自分の意識を成長させるものですが、神話は〈暗黙知〉を人々に伝承していくものです。

神話は自然の環境と同じように人間の意識を成長させてくれるものです。


神話学者の中には、神話は一回性のものと二義的に繰り返されるものがあるという人がいます。
繰り返えされる神話は宗教になります。

もしかしたら、神話を宗教と捉えている方が多くいるのではないでしょうか?

しかし個人的な意見ですが、繰り返される前の一義的で原始的な神話が非常に重要だと思います。
宗教は、ある意味で社会的なことを研究していく場のようになりますから。

一義的で原始的な最初の神話はまだ非常に純粋な形で残っていると思います。
私は原始的な神話を研究することが現在では非常に重要だと考えています。


ピーター・ブルックが『マハーバーラタ』を演出しましたが、あのような大作をつくることは人類にとって非常に重要な仕事だと思います。

インドの知識人の中には、ピーター・ブルックの『マハーバーラタ』に対する批判があったと聞いています。
しかし、一義的で原始的な神話を人類に対して解明し提示したピーター・ブルックは、人間として、芸術家として大変な偉業を成し遂げました。


私たちが『古事記』を演劇にすることは非常な危険を伴うということは解っています。

しかし、現代人にとって、演劇を通じて〈暗黙知〉を取り戻すことは重要な課題です。
ただし、私は外国人ですから『古事記』を理解するのに大変難しいところはあります。

例えば西洋文化、特にキリスト教文化においては言葉を重要視します。
キリスト教の聖書「ヨハネによる福音書」の冒頭には「初めに言葉ありき」と書かれています。
その言葉は神を表しています。

私は日本の神話で一番重要なことは〝視線〟ではないかと思っています。
つまり、視線を送ることで何かが生まれたり、解決したりします。

『古事記』の中でイザナギはイザナミを追い黄泉の国へ行きますが、
イザナミが「私の姿を見ないで」といったにもかかわらずイザナギはイザナミを見てしまいます。

視線を向けてしまったことで大きな事件が起こります。
他にも、山頂から世界を見渡すことで問題が解決されたりします。

このようなことは日本の神話におけるユニークな要素だと思います。


ただし、私たち東京ノーヴイが演劇としてつくり上げようとしているのは『古事記』の前半部分の宇宙開闢の部分です。
その部分は宇宙の〈暗黙知〉を人間に伝えていると思っています。

儀式を通して、音楽を通して、歌を通して、踊りを通して宇宙の〈暗黙知〉を伝えたいと思います。
それは現代人が知らなければいけない重要なことだと思っています。


神話を伝承することは非常に難しいことです。
『古事記』は稗田阿礼(ひえだのあれ)が語る話を太安万侶(おおのやすまろ)が記録し、編纂しました。

安万侶は音として伝えるのか、意味として伝えるのか、非常に苦労しながら書き記しましたが、
『古事記』の序文で「正確に記すことができたかどうかは判らない」とも書いています。


しかし、もしも稗田阿礼のような人物が現代に現れて何かを語ってくれるのならば、それは非常に重要なことであるはずです。
儀式をライブで観ることができるし、それが何日にもわたり続くわけです。

それは言葉で何かを伝える必要のないライブの儀式となるはずです。
その儀式は自然や宇宙とストレートにつながり何かを伝えられるのではないかと思います。


そこで今、私が一番悩んでいるのは稗田阿礼と一番近い表現方法で作品をつくるためにはどうしたらいいのかということです。
何かの芸術表現が稗田阿礼の表現の代わりになるのではないのかと思っています。

稗田阿礼の語りを表現するためには、演劇芸術の表現にこそ最も可能性があると期待しているのです。
ピーター・ブルックはその経験があります。

私が『古事記』を演劇として表現したいと考えたのは、東京ノーヴイの作品をつくるということだけではなくて、言葉では伝えられない〈暗黙知〉を伝える手段としての演劇をつくりたいと考えたのです。

神話を通じて私たちが受け取るある種のエネルギーを演劇芸術で伝えたいということです。

・・・・・・・・

アニシモフ: 2010年の第9回シアターΧ国際舞台芸術祭のメイン・テーマは「チェーホフの鍵」でした。

その時のシンポジウムでも話したのですが、今はロシア人よりも日本人の方がチェーホフが好きなのではないのかと思いました。チェーホフは日本人だったのではないかと思えるほど。

そのことに対して私たちロシア人はまったく反発はしないし、逆に喜んでいます。
それはロシア文化が日本人に受け入れられている証拠ですから。


『古事記』が世界の他の国の神話と比べて個人的に好きなところは、
非常に優しさに溢れているというところです。

他の国の神話を調べると非常に乱暴で残酷なことが書かれていたりします。

しかし『古事記』のイザナギとイザナミの話などは非常に愛に溢れているように思われます。

スサノオは悪さをしますけれど、どこか可愛げのある神です。
だからスサノオは日本人にとって親しみを感じる存在になったのだと思います。

出雲を訪ねてスサノオが祀られている社を観た時、日本の人たちは誠心誠意スサノオを祀っていると感じました。
私は自分が感じる日本の神話の優しさや日本の儀式を他の国の人たちに伝えていきたいと思います。


現代は非常に乱暴で幼稚な時代です。
私は日本の能に対して非常に敬意を感じますが、東京でさえ能楽堂はとても少ないです。

それに対して現代劇が催されるホール・劇場はたくさんありますし、
東京だけで2千以上の団体が現代劇の活動を行っているということです。

個人的な意見ですが、東京で現代劇の活動をする団体はほぼアンダーグラウンドの小劇場で乱暴で幼稚な芝居ばかりをつくっているように感じます。

これは日本に限らないことですが、その乱暴さが人間の精神や魂を閉ざしていくように思います。
カオスをつくり出すものばかりなのです。カオスの状態は私たちの意識を壊していくように思います。

やはり、私たちは調和を目指していかなければならないのです。


ロシア人の数学者が『古事記』を研究したところ、『古事記』に出てくる神たちは数学的に構築され調和がとれていることを見つけました。
私は調和のとれている『古事記』という神話にとても感動します。

その感動を演劇で伝えたいと思います。
『古事記』の序文は詩的なロシア語に翻訳されています。

私は安万侶が書いた序文を読むだけで涙が出てくるのです。
美しさ、厳粛さ、敬意が感じられます。


ただ、いろいろな疑問も持ちました。
例えば『古事記』には人類の誕生が書かれていません。私はそのことが疑問です。
その疑問について、どのように解釈したらいいのでしょうか?

また、私にとって非常に疑問を感じるのは、なぜ女性であるイザナミが男性のイザナギに先に声をかけることはよくないのかということです。
なぜイザナミが先に声をかけたことで、ヒルコという不具の子が生まれたのでしょうか?

なぜその子に「ヒルコ」という名前がついたのでしょうか?
それはヨーロッパ人にとって非常に奇妙に感じることです。

私は『古事記』におけるいろいろな疑問や問題をただ頭で考えるだけではなくて、身体で体験することで理解したいと考えています。


私自身が『古事記』を研究し、読み込むプロセス自体はとても時間がかかりました。
私が『古事記』について最初に興味を持ったことは生物学的な要素でした。

しかし、『古事記』を読み込み研究しながら身体で感じていくと、
『古事記』の持つ純粋さを感じるようになり、そうなると『古事記』にどんどんのめり込むようになりました。


『古事記』の話の最初の部分で、シェイクスピア悲劇に匹敵するような悲しいことが起こります。

愛し合っているイザナギとイザナミが自然界にいろいろな神を生んでいきます。
イザナギはイザナミが亡くなったことに耐えられずに黄泉の国までイザナミを追っていくわけです。
それはイザナギがイザナミを愛しているからの行為です。

しかしそこで悲劇が起こります。
その後、イザナギとイザナミは敵同士になってしまうわけですから。

そしてイザナミは「死」というものに変貌して自分の子供たちを殺していきます。
それに対してイザナギは産屋を建てます。

これは愛について、そして死についての驚くべき物語だと思います。

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◇公演PR:日本の心のルーツを知る純和式オペラ
http://tokyonovyi.blog76.fc2.com/blog-entry-1286.html

第11回シアターΧ国際舞台芸術祭IDTF2014
http://www.theaterx.jp/14/140614-140706p.php


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